東日本大震災で被災された方に心から、お見舞い申し上げます。
5月28日、29日に第18回母乳育児ワークショップが開催される予定でしたが、この度の東日本大震災の影響のために、11月に延期しました。開催地の変更も検討されましたが、東北地方の応援を含めて、秋田で開催いたします。
この度の大災害は、母乳育児の重要性を改めて痛感させられました。粉ミルクもない、水もない、熱源もない状況では“母乳”が命綱です。また、母子ともに不安な状態を乗り切るためにも母乳育児は必要なことです。そのためには日頃からの母乳育児支援に取り組むことが最も重要であり、このことを再認識された方も多いと思います。改めて母乳育児推進を考える機会として、ワークショップを開催します。
さて、日本母乳の会は、我が国のお母さんが当たり前のように母乳育児ができるようにと母子医療・保健に関わる人々の啓蒙に努めて参りました。母乳育児支援は特定の医療提供者の個人的技術に依存して行うものではありません。親と子の関連する様々な組織が連携し、赤ちゃんとお母さんを包み込むように支援することが大切です。
実際にどうすれば分娩施設で母乳育児を支援できるのか、また施設退院後の母乳育児の長期的支援や、社会資源との連携はどのようにしていけばいいかなどの課題が毎年の母乳育児シンポジウムで語られています。それとともに、母乳育児推進のために最前線で親と赤ちゃんに向き合う医療・保健提供者が、目の前にある具体的な問題を解決するためにはどう取り組めばよいのかを、きめ細かく検討するためにワークショップを開いております。第18回は秋田県で開催することになりました。
ワークショップでは、母乳育児支援のために取り組まなければならない課題に対して、少人数のグループで討論いたします。なぜそれが問題となったかの背景を分析検討し、その中から重要な要因を抽出し、その抽出した要因を解決するための手段や戦略を組み立てていきます。
少人数のグループワークですが、多職種の方達がメンバーとなり、それぞれが役割をもち、積極的に討論に参加します。討論の過程で、自分一人や、自分たちの施設だけでは見えなかったものがはっきりしてきます。問題解決のアイデアが見方を変えた様々な角度で検討され、洗練されていきます。その討論の成果を発表して頂き、その内容を他のグループとも共有します。
グループワークを支援するアドバイザー役として、日本母乳の会のワークショップ委員がサポートします。座って知識や技術をただ教えてもらうだけのセミナーと異なり、自ら考え作り出していく喜びがあります。ワークショップの合間を見ての懇談の時間に熱く母乳育児支援について語る方もいます。今回は秋田県田沢湖高原温泉郷の駒ケ岳観光ホテルで開催されます。
たった1泊2日の会ではありますが、地域での母乳育児支援の連帯が深まると思います。ワークショップを体験した方たちが施設へ帰り、赤ちゃんに優しい病院へと進む原動力にもなっています。
ぜひ、皆さん、ご参加下さい。日本母乳の会の会員以外も参加できます。
・日本母乳の会では10カ条の教育の一環として位置づけています。
・BFH認定申請を希望されている施設は、ご参加ください。
第18回母乳育児ワークショップは終了しました。
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