新型コロナ感染症の切り札として期待されているワクチン接種が、我が国においてもいよいよ開始されることになりました。国際的にはワクチンの争奪戦が報道されるなど、先行きにはまだまだ不透明な部分もありますが、期待は大きいものがあります。
日本に導入されるワクチンはmRNAワクチンと呼ばれるのもで、これまでにない新しいタイプのワクチンになります。長期的な影響についての動物実験のデータもまだなく、短期的な効果、副反応を治験データで確認しながら導入しているのが現状です。特に、妊婦、授乳婦に関するデータは国際的にもまだありません。各国の対応もまちまちで、ワクチン対象者として推奨しているところと、推奨から外しているところがあります。そのような中、WHOとAcademy of Breastfeeding Medicine(ABM)からワクチンに対する考え方、提言が出されました。皆様の判断の参考になりますように、ここに紹介致します。
なお、日本産婦人科学会・日本産婦人科感染症学会からも、「COVID-19ワクチン接種を考慮する妊婦さんならびに妊娠を希望する方へ」という提言が出されています。@妊婦に対する安全性、特に中・長期的な副反応、胎児および出生児への安全性は確立していない。A現状を踏まえれば、接種対象者から除外すべきではない。ただし、器官形成期(妊娠12週まで)は接種を避ける。B重症化のリスクがある場合はワクチン接種を考慮する。Cパートナーは家庭内感染を防ぐために接種を考慮する。D妊娠を希望する女性は、可能であれば妊娠する前に接種する。という5項目が提示されています。授乳婦に対する提言は含まれていませんでした。
以下は参考です。