阪神・淡路大地震で被災されたお母さんから、 東北関東大震災で被災されたお母さんへのメッセージ
阪神淡路大震災で被災されたお母さんたちからの励ましが神戸在住の前日本母乳の会運営委員の川谷和子さん から寄せられました。川谷さんも3人の子どもの母親で神戸市で被災されました。
東北関東大震災で被災された方々に心よりお見舞い申し上げます
このたびの広域における大震災と都市部の直下型であった阪神淡路大震災とは、状況が違うこともたくさんあるので、 お伝えすることがあまりお役にたたないかもしれません。昨日、当時の灘区で火災のため広域が焼失した地区を 歩いていました。まち並みはすっかり変わってしまったけど、よくここまで復興してきたなぁと、感慨深いものがありました。
●困難・大変さの中にも力強さがあります 報道のされ方というのでしょうか、とても気になります。子ども、高齢者、乳幼児をもつ母親は、確かに災害時には弱者となり、 さまざまな配慮を頂けるのはとてもありがたく助かります。でも母親というのは決して「無力」ではないということを もっとアピールしてほしいと思います。また、「ストレスでおっぱいが止まる」というのは、すべての人に当てはまることではない、 ということをもっと伝えてほしい、むしろステレオタイプのように言われることで、皆がそのように思い込んでしまうことを 懸念しています。 また、先日のひょうごの会で話題になったのは、「テレビで避難所にいるお母さんの髪の毛はベタっとしていてお風呂に 入っていないのはわかるが、赤ちゃんの肌がつやつやしていて、明らかに母乳の子というのがわかる。メディアはお母さんに 何か欲しいものはありますか?と尋ねていたら「さぁ、しいて言えばおもちゃかな?」と言っているのを聞いて、 母乳だから何も必要ないということだけど、お母さんもあえて母乳だからとは言わないし、なぜモノに困っていないのか、 ということは何も報道しない。もっとそのことを伝えたらいいのにと思う」とのことでした。大変なことばかりクローズアップ されています。(もちろん、大変さを伝えることも重要ではありますが…)大変な中でも力強さはあります。 16年前も、関西のおばちゃん、お母ちゃんは明るく力強かった。状況が日々刻々と変わっていくのですが、 その状況にも上手に対応されていました。(成ることから成るようにしていったらいい、という感じで、まさに女性の生きる力です)
●「母は強し」を感じました 当時乳幼児(生後1か月〜11か月)を母乳で育てていた8人のお母さんに、当時のお話を伺うことができましたが、 皆さんが共通しておっしゃったのは、「こんな時だからこそ私がこの子を守らなければ。私しかこの子を守ることができないから。 どんなことがあってもこの子を守ろう」という気持ちがより強まり、ひたすらおっぱいを飲ませ続けていたそうです。 (お母さんの言葉で「いろいろ不安やったけど、気はしっかりしていた」とのことでした) 余震が来るたびにビクっとしますが、お話を聞いた8人は誰もおっぱいは止まっていませんでした。 (8人の皆さんは、普段から母乳の基本情報が届いているラ・レーチェ関係の人ではなく、灘区と東灘区に在住する母親です) 大人が不安を感じると、実は赤ちゃんも不安なので、おっぱいに頻繁に吸いついてきます。赤ちゃんはおっぱいを吸うことで 安心するのですが、一般的には「頻繁に吸いつくこと」イコール「出ていない」と思う人が多いのかもしれません。 そういえば、私も電話相談で、「頻繁に吸いつくことで分泌を促すし赤ちゃんも安心するので、そのまま吸わせてください」と 何度か言っていたのを思い出しました。
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