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第25回母乳育児シンポジウムは無事、終了いたしました
「トキめき母乳育児」を終えて

第25回母乳育児シンポジウム実行委員長 永山善久

第25回母乳育児シンポジウムを、平成28年7月30日(土)〜31日(日)の2日間、新潟市朱鷺メッセにて開催しました。盛夏の中、全国から750名の方に集まって頂きました。宿泊施設の関係で当初の見込みより少ない参加数ではありましたが、2日間のシンポジウムでは時間が過ぎるのがあっという間に感じられるほど、活発な討議をして頂きました。
今年は、宮城県の春ウィメンズクリニックが、WHO/ユニセフより「赤ちゃんにやさし病院(BFH)」として認定証が授与されました。これでBFH施設は73施設になりました。
新潟県の周産期医療に関わる方を中心に、教育、行政と多職種の方を巻き込み、更に富山県のBFH施設の協力を得て構成された実行委員会で、1年間掛けて準備してきた今回のシンポジウムのメインテーマは「トキめき母乳育児」でした。そこには、国内で唯一の朱鷺の生息地である佐渡で、多くの人の努力によって40年かけて人工飼育から自然繁殖へ移行することが可能になった朱鷺のように、母乳育児にも多くのやさしい支援がそそがれるように、また、「こころときめく」母乳育児をひとりでも多くの人に届けられるようにと願いを込めました。そして、実行委員会では母乳育児における「やさしさとは何か」をめぐって、何回も何回も熱い議論がかわされました。きわめて現代的なテーマである「やさしさ」を考えることが、母子支援の根源を考えるよい機会になりました。
シンポジウムT「母乳育児支援のやさしさを考える ―「赤ちゃんにやさしい」と「お母さんにやさしい」は相反するの?−」では、実行委員会での議論を踏まえて、母乳育児支援の基本となる「やさしさ」とは何かをそれぞれの支援の実践を通して考えてみました。母子が本来持っている「育てる力」「育つ力」を引き出す支援の実践の中に「やさしさ」があることに気づきました。そして山内逸郎先生が仰っていた「母乳権」を守る重要性が改めて認識されました。
シンポジウムU「母乳育児支援のやさしさが社会を変えていく」では、やさしい支援を社会に広げていくことの重要性を、先駆的に取り組まれている立場からお話し頂きました。プレネイタルビジット、施設で取り組む2週間健診、行政が支える2週間健診、市全体で支える母乳育児からは、有機的に繋がる母乳育児の支援が社会を変えていくエネルギーを秘めていることを感じました。
ワークショップ「それぞれの母子に合わせた母乳育児支援」では、母乳育児が難しい状況にあってもそれぞれの状況に合わせて工夫・支援している実践を、お話して頂きました。
特別講演の岡村均先生は、国立岡山病院の同門会「吉備の会」のご縁でご講演をお願いしました。「からだの時計は今何時?−母と子の時間と遺伝子の物語―」で、時計遺伝子の最先端の研究を、学問を楽しそうにお話しされるお姿は山内先生に似ていました。「母乳中には生きた乳腺上皮細胞がたくさん取れるので、時計遺伝子の研究には恰好な材料」と仰っていたので、先生の研究が一層進むかもしれません。
2日目の午後は新潟の特別企画として、実行委員会企画で行った「新潟県における分娩施設の母乳育児支援状況」のアンケート調査結果を報告しました。県内のすべての分娩施設を調査できた画期的な結果が得られました。また、新潟大学シッター制度や、新潟独自の取り組みや課題について報告し、最後に、25回の節目のシンポジウムのプロダクトとして、新潟宣言を採択しました。実行委員会で1年かけて準備した成果を会場の皆様と共有できた瞬間でした。
懇親会の会場へは、信濃川をウォーターシャトル水上バスで渡って移動しました。52年前の新潟地震でも落ちなかった石の橋、萬代橋の美しい姿を川面からご覧いただきましたが、皆様からは好評を頂きました。シンポジウムの思い出として心に残れば幸いです。
最後に、参加者をはじめ、今回のシンポジウムを支えてくださったすべての方々に感謝申し上げます。ありがとうございました。実行委員会で出来た母乳育児をめぐる人々の輪のバトンを次回の開催地の兵庫に繋ぎたいと思います。




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