BFH委員会 笠松堅実(笠松産婦人科小児科)
顔を見合わせての会議に
母乳育児シンポジウムの余韻もまだ、さめやらない10月9日に第2回BFH連絡会議が、東京フォーラムで開催されました。参加施設はBFH41施設(認定は43施設ですが、分娩の取り止めが2施設)のうち39施設、78名、運営委員と約100名の参加でした。
運営委員長の挨拶後、および、日本母乳の会の活動の報告のあと、ユニセフ駐日事務所次席代表の平林国彦氏より、「ぜひとも、BFHを倍増のお手伝いをさせてください。そして、赤ちゃんにとってベストのスタートが出来るような国にいたしましょう」と挨拶されました。平林氏は1週間前にレバノンから帰国したばかりの多忙な中を駆けつけてくださいました。
第1回の開催から2年経ち、B FHの新しい仲間14施設の自己紹介、参加者全員の自己紹介のあと、テーマ1「赤ちゃんにやさしい病院認定後の諸問題」として、開業産婦人科からは盛岡市の黒川産婦人科から「スタッフ教育―スタッフの自立とチーム力の向上」病院施設からは熊本市民病院から「スタッフ教育―マンネリ化とモチベーションの維持」と問題提起がされました。
午前中の討議の後、ユニセフの平林国彦氏は「今までの議論を聞き、また、日本の産科事情をうかがうと、母乳育児ケアは世界的にみて高水準であることがわかり、皆さんは素晴らしいケアをされています。ぜひ、日本から世界に発信して欲しい」と、エールをおくってくださいました。この発言は参加者に大きな勇気を与えてくれるものでした。
午後のプログラムは、9月末にベルリンで開かれた先進国BFHI会議の報告と、「全国BFH施設における母乳育児実態調査」の集計データとが報告がされました。次いで、テーマU「BFH施設の今後の役割」について、林特仲さん(旭川医科大学小児科)より、厚生科学研究の「母乳育児実態調査〜BFH施設では」の解説がありました。
日本母乳の会は健やか親子21課題2の幹事会において、厚生科学研究に取り組んでいますが、そのなかで、「BFH施設における母乳育児実態調査(データ収集)」が提案されています。以前から、データ収集についてはその必要性を以前から指摘されていましたが、ようやく体制が整い、取り掛かれることになりました。
母子健康手帳の体重曲線は母乳栄養児も人工栄養児も一緒にしたもので、母乳栄養児だけのデータが求められていました。そのデータの収集ができるのはBFHの施設しかありません。林時仲さんは母乳で育った子どもの成長を長期的に観察して、日本の子ども達の健康に役にたてたいと、提案されました。追跡調査をどのようにするのかなど、課題は多くありますが、まずは調査を始めることが決まりました。
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